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 今日はボーカル録音について書きます。 
 僕の宅録の歴史はほとんどボーカル録音についての試行錯誤です。とにかく理想どおりの音が録れなかったのを覚えてます。

 でもある時から悩まなくなりました。ある方法を試してからです。これはたんに遊びの中から見つけたのですが、ボーカル録音に悩んでる人はぜひやって欲しいです。

 
 ま、たいしたことないといえばそうなんですが、バックトラックを全部プロの音源にするということです。最近は少なくなりましたが、市販のCDには3曲目あたりにカラオケがついています。その音をMTRに録り、それをバックにボーカル録音するのです。そうするといろいろ発見できます。
 
 僕の場合はミスチルの桜井さんと桑田さんの「奇跡の地球」という曲でした。これの本物の音源とカラオケをMTRに入れ、それをバックに歌入れする。なるべく物真似するように歌う。そして、本物の音源と同じ感じになるようにミックスするのです。ボーカルの音量、EQ、コンプの強さ、リバーブの量などです。

 そしたら驚くほど良く録れたのです。物真似が得意ってこともありましたが、ちょっと聴くだけなら友達ぐらいだませるんじゃないかってくらいに。
 もちろんよく聴けばプロとの違いははっきりわかったのですが、大切なことは、僕の目指していたプロのような質感は出せたのです。
 つまり、いままでボーカル録音が上手くいかなかったのは、マイクやマイクプリアンプ、コンプやリバーブの質が悪いのではなかったのです。

 「奇跡の地球」を歌ってみて思ったことは、すごく歌いやすいってことです。例えるなら、ジクゾーパズルの残ったピースを埋めていくように歌えるってことです。ピッチもとりやすいし、とにかく気持ちよく歌えるのです。アレンジやEQで歌の位置を空けるって感じかな。

 つまり歌を大切にするにはバックトラックがとても重要だってことです。なぜ今までの僕の曲がダメだったかってことは、歌を活かしたバックトラックが出来ていなかったってことです。

 ぜひこの方法を試して欲しいです。これでプロのような質感が出なかったら、つまりプロとの違いを明白に感じたなら、それは機材のせいです。マイクやマイクプリを買ってください。そういう方は宅録レベルが高いってことです。

 でも僕みたいに良く録れたら、自作曲のレベルが低いってことです。アレンジを見直してください。僕もアレンジを見直しました。コード感、ベースのフレーズ、パッドの役割などです。

 ちなみにカラオケ付のCDは中古レンタル屋で100円で売ってます。ぜひお試しを。

「例えばキーがDの曲があって、Bmに入るときにちょっとした経過音をベースが弾いてくれることでボーカルが入りやすかったりとか、主メロがあって誰かがカウンターの役割をしてくれっると歌にすっと入れたりとか、そういう工夫が足りないんじゃないかと。安易にエディットに頼るんじゃなくて、いいリズムやピッチをとるために、まずバンドにいいアンサンブルをさせなければいけないと思います」 くるり 岸田繁